私にとっての4.25
10月25日でJR福知山線脱線事故から、はや半年が経ちました。幸いにも事故に巻き込まれなかった私達にとっては、あまり意識もせずに過ぎていった半年。けれども被害者や被害者家族の方にとっては、あの日以来の一日一日は、さぞかし辛く長かったことでしょう。亡くなられた方たちのご冥福をお祈りすると同時に、後遺症と闘っておられる被害者の方、突然家族を奪われた方、それぞれの方たちの今後の幸せを祈らずには居られませんでした。
4月25日は又、私が大切な友人を亡くした日でもあります。半年間の闘病生活でした。腹水が溜まってきたのが最初の自覚症状。癌と診断され手術を受けられましたが肝臓に転移が…。その後は、抗がん剤治療のため入退院を繰り返されました。気丈に前向きに病気と闘っておられましたが最後の1ヶ月半は、お見舞いに行くたびに小さくなっていくのが目に見えてきました。
5月7日には娘さんの結婚式が予定されていました。発病されてからの準備でした。まだ元気な内に結婚式場も決めて、花嫁衣裳を選びに何度もホテルまで足を運び、箪笥は桐の箪笥を持たせたいと、工場まで行き特注で注文して…。本当に嬉しそうに、娘さんと一緒にどこにでも出向き準備全てを整えて、残すは結婚式だけ…でした。
4月に入り、背中や腰の痛みも酷くなり本当に辛そうになってきました。私と、結婚式に「絶対、出ようね!」と語り合い、花嫁姿を「 見たい! 」 と仰っていましたが、ときに「こんな姿じゃ、娘が可哀想 」 と辛そうにつぶやいた事も・・・。後12日というまさに結婚式を目前にして、亡くなられました。娘さんは、「母は皆に迷惑をかけまいとして…。」と泣いておられました。
何でもできる彼女だったから、残されたご主人のことを、みんな心配しました。間もなく娘さんも嫁がれて大きな家に、ご主人一人になってしまわれました。それでも、ご主人も少しづつ元気になられ、「頑張るしかないですからね」と、お会いするたびにおっしゃいます。10月25日お邪魔した時には、その言葉の中に少し自信も見えてきました。娘さんも優しい彼と幸せに過ごされているようです。
明るく、いつも元気一杯の彼女に何度も元気を分けてもらいました。毎月25日が来ると、彼女の綺麗な笑顔を思い出します。よく通る大きな声、背筋を伸ばして、颯爽と歩くヒールの音、そして、美しいお辞儀の姿勢も・・・。もう半年が過ぎ、きっと天国で微笑みながらご家族の元気な姿を見守って居られることでしょう!心からお祈りします。「どうぞ、安らかに…。」
« ジャズライブ | トップページ | Google Earth は凄い! »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ご近所のバラ屋敷(2023.05.13)
- ゴールデンウィークNO.2(2023.05.13)
- ゴールデンウィーク No.1(2023.05.07)
- 新年度(2023.04.02)
- 市から「祝長寿」表彰(2023.03.31)
何度か話を伺ったヨピ様の友人の死。
半年がたったのですね。その方の娘さんの結婚式の準備から、娘さんの花嫁姿をみたいといいながら叶わず逝かれてしまったこと、ずっと傍で見守っていたのですね。半年たった今、ヨピ様の記した友人の元気なときの姿に、胸がつまります。残されたご家族、娘さんの幸せな結婚生活よかったですね。伴侶を亡くされたご主人の「頑張るしかない」と語られたその胸の内・・・。人は時間を経て愛するものを亡くした悲しみを少しずつ受け入れてゆくのでしょうか。悲しみの受容は他人事ではなく自分自身にも問われていること・・・。
ご友人のご冥福をお祈りもうしあげます。
投稿: なずな | 2005年10月29日 (土) 12時47分
どんなカタチでも人が亡くなるのは本当に辛いものです。ましてそれが身内となると身を切られる思いでしょう。ずっとこの侭で…と願っても不可能なんですよね。その辛さも「時間薬」という言葉の通り、徐々に受け入れられるようになるんでしょうね。月並みだけど、亡くなった方に恥じないような生き方をしたいと思っています。
投稿: ヨピ | 2005年10月29日 (土) 17時12分
お若いので病気の進行が早かったのでしょうか。転移する前に手術出来ていればと悔やまれますね。私も友人を癌でなくしました。お宅に伺った時、まだ20代のご主人が「彼女が本当に死ぬのは、彼女に関わった全ての人の記憶から彼女が消える時。どうか彼女との思い出を忘れないで」と言われました。花のように微笑む人。陽だまりのような人でした。ご友人の綺麗な笑顔を忘れないでいてあげて下さい。
投稿: エイミー | 2005年11月 1日 (火) 21時00分
友人は50代後半の死だったけど早過ぎて無念だったと思います。残されたご主人が20代…それこそ余りに早すぎます。お二人とも可哀そう・・・「自分の大切な人を忘れないでいてほしい」というお気持ちよく分かります。辛さは時が経つに連れて少しずつ癒されてほしいけど、彼女の思い出はいつまでも胸に刻んで持ち続けていたいと思っています。それにしても思い出の中の彼女たちは、いつも笑顔なんですよね。
投稿: ヨピ | 2005年11月 2日 (水) 00時18分