博士の愛した数式
☆ 小川洋子 著、 新潮文庫 ☆
交通事故の後遺症で、記憶が80分しか持たない数学博士と、そこに派遣された家政婦とその10歳の息子(ルート)の暖かい人間関係が題材。
博士の会話は、いつも数字を通して始まり、素数・階乗・約数・自然数…等の言葉が次々出てくる。 私、学校と縁が切れてン十年も経ち、その単語、聞いただけでパニックになりそう・・・それが読み進めて行く内に、身近なもの美しいものに思われて来るから不思議。
ある日、博士と一緒に留守番していたルートが軽い怪我をする。博士がオブって病院に奔走。治療を終え、自宅に帰ってから、ルートは母親に対して「博士を信用しなかった!疑った!・・・」と泣いて抗議する場面がある。私の涙はここが最初。博士宅での家政婦生活は半年間。それは暖かい愛に溢れた時間で、読んでいて、もっともっと長い時間に感じられる。
80分の記憶しか持たない博士を含め3人の登場人物の、お互いを思いやる心に胸が熱くなる。引き込まれて、2日で読み終えた!この本、一押しでお勧めします。1月21日から映画公開される。寺尾聡と深津恵理・・・のキャストも面白そう~♪絶対、見に行かなくちゃ!!
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